カテゴリー別アーカイブ: 思い

多読中心のホームスクーリング

我家の2014−2015年ホームスクーリングも先日無事終了しました。

今年もそれぞれ、よく頑張りました!

 

すでに大学に進学している長女は、自己研鑽のためこの夏フランス滞在中。

高校過程修了間近の次女はイタリアホームステイを満喫中。

そして、中学生の三女はお姉ちゃんたちの冒険旅行に「いつか自分も続きたい!」と夢膨らませつつ、今年のホームスクーリングの学びを無事終了しました。

 

ホームスクーリング!?

 

「それ何ですか?」と思われた皆さまに、我家のホームスクーリングのほんの一部を「多読」の観点からご紹介したいと思います。

 

2006年夏、アメリカから日本へ引っ越してきました。

当時長女は6年生、次女は3年生、三女は4才でした。

それまでは現地の保育園、幼稚園、小学校に通い、土曜日は日本語補習校に通い、学校中心の忙しくも充実した日々を送っていました。

しかし…

日本に帰国するにあたり、私たち親と上の子二人の間で「英語で学んできた学習を日本でも続けたい。」という思いが募り、その可能性について調べ、学び、祈りました。そして、私たち家族の関心事や価値観を大切にできるであろう「ホームスクーリング」という教育を選択し、帰国と同時にスタートし、今日までこのスタイルで子ども達の学びをサポートしてきました。

ホームスクーリングと一口に言っても、「10のホームスクーリング家庭があれば10通りのやり方がある」と言われるくらい、家庭によってやり方も使っているカリキュラムも千差万別です。

多読ファミリーの我家は、「子どもたちにたくさんの良い本と出会ってほしい」との思いから、このカリキュラムを選びました。下の写真は毎年この時期に届くカリキュラム会社のカタログです。

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Sonlight:The way you wish you’d been taught. (サンライト:こんな方法で学びたかった←カリキュラム会社のキャッチフレーズ)

 

 

 

日本社会も様々な意味で多様化する中、ホームスクーリングを教育の選択肢として考え選ぶ家庭も少しずつ増えていくでしょうか。

アメリカではホームスクーリングが全ての州で合法化されていますが、日本では親が教育委員会や学校と相談しながら、基本的には地元の学校に籍を置いてホームスクーリングを進めているケースが多いと思います。

 

さて、ここから本のご紹介。

おもに三女が世界史をテーマに読み進めた本です。

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一年間で読み終えた本50冊あまりを積み上げたらこんな感じ。

 

 

 

例えば、上からインド、日本、韓国、中国を取り扱った小説。一人で読む物もあれば、親と一緒にRead-aloudで読む物もあります。

日本史ベースの小説The Ghost in the Tokaido Inn(東海道五十三次の幽霊)、サブタイトルはThe Samurai Mysteriesです。お話は恐くないです。Homeless Birdはインドの女性差別問題を扱った感動的な一冊。

 

 

 

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思えば、5才の時に一人読みを始めて大喜びしてた本はこんなのでした。

 

 

 

 

幼稚園のときに読み聞かせ等で読んだ推薦図書。選りすぐりの本ばかり。

 

 

 

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そして中学生過程で今年読んだ本は世界史がテーマ。このカリキュラムから選んだ本がアメリカから届くと、毎年ワクワクして箱を開け、本を本棚にならべ、「よーし、今年も読むぞ〜!」と張り切ってしまうわけです。

 

 

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今年読んだ中のお気に入りはこの本だそうです。500ページのミステリー!

 

 

 

多読中心のホームスクーリングと言っても、本を読んでいるだけではなく、読んだ本をもとに言語、歴史、科学、地理、倫理、宗教等々、様々な分野にわたって物事を扱い多角的に学習していきます。

本を丸ごと一冊読み進めていく学習方法は子ども達の学習意欲を高める優れた方法だと思います。私が小中学生だった頃など、本を丸一冊読んだのは夏休みの課題図書とか、しかも感想文を書くためにしぶしぶ一冊読まなくてはならなかった、そんな読書でした。

本は、歴史の世界、科学の世界、芸術の世界、人間関係を学ぶ世界へ、そして自分自身をあたらめて知る世界へ、実にあらゆる世界へと私たちを連れて行ってくれます。

たくさんの本との出会いが、子どもたちの成長のために大いに役立っていると感じます。

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絵本多読で楽しく文法キャッチ

今年6月から教室に通い始めた中1生。多読スタート期に選ぶのはORTや CTPのCD付き絵本が中心です。

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絵が豊富でシンプルなセンテンスのうすっぺらい本ばかりですが、CDの音声を聞いたり、シャドーイングで追いかけながら読んだり、英語の音やリズムに親しみながら読み進めています。

 

 

 

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約一ヶ月半の間に90冊近くの絵本を聞いたり読んだりしてきました。今日まで読み進めた語数はざっと3200語。読んだ本の名前や語数は多読記録帳に記入します。今日も15冊ほど、サラッと読んでしまいました。

 

 

 

 

教室の子ども達が多読中心に英語に触れるようになってから、「先生から教えられる」という受け身な姿勢ではなく「自分で気付きながら学ぶ」という能動的な態度になっているなと思うことがよくあります。

” It’s melting!”(CTP)という絵本、1ページずつゆっくりと絵をながめながら、CDの音を追いかけるように、センテンスをリピートしていました。

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IMG_0002IMG_0003IMG_0004IMG_0005IMG_0006IMG_0007Snow melts.

 

 

 

 

Ice melts.

 

 

 

 

Butter melts.

 

 

 

 

Candles melt.

 

 

 

 

Crayons melt.

 

 

 

 

Ice cream melts…

 

 

 

 

all over me!

 

 

 

本を読んだあと、A君とのこんな会話。

A君:Meltsは「とける」って言う意味!

私:That’s right!

A君:クレヨンがとけるなんて、どんだけ暑いんだろう!?

私:It must be a really hot day!

A君:Meltsの’S’は複数形の’S’なんですか?

1ページずつ読みながら、’S’がついている’melt’と、ついてない’melt’があることに気づいたA君。まだ学校では教わっていない三人称単数の’S’について、他にもいろいろなセンテンスを紹介したら、「O.K.!」と清々しい笑顔で納得してくれました。シンプルな英語の絵本を読みながら、絵を見ながら、自分で英語の法則に気づいていく、まさに “The grammar is more caught than taught….” だと思いました。文法は教えられるより、自分で気付き、キャッチしていくと、また何度もそういう例に接していくと、使えるようになってくるのだと思います。

最後にBookFlixから”Knuffle Bunny”を見つけて、絵本動画を楽しみました。

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小さい妹さんがいるというA君。

 

 

 

 

主人公の女の子の行動が妹さんにそっくりだ!と、おもしろおかしく英語のストーリーに見入っていました。

 

 

 

今日も丸々1時間強、多読、多聴、多見で、たっぷり楽しい英語のインプット。

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好きこそ物の上手なれ⑧「ゴスペル」編

HGF全国合同コンサートに参加してきました。

 

教会のゴスペル教室に参加するようになり7年目を迎えました。

毎年6月開催のバレーボール大会と重なり(ママさんバレーやってます)、このゴスペルイベント参加は諦めてきましたが、今年は7月に入ってからの日程だったので、念願の「合同コンサートデビュー」が叶いました。教室の発表会や、地域の小さなコンサートの楽しさとはまた違い、数百人の同志と合わせる歌声はとーってもパワフルでした!

Hallelujah Gospel Family (HGF)というグループが全国70カ所のクワイアと繋がり、年に一度関東地区で合同コンサートを行っています。各クワイアはそれぞれの地区・地域でHGFのテキストにそって8曲〜10曲を練習し、最後に数百人の合同クワイアとして歌います。

下の写真はゴスペル教室のテキストと練習用CD、そして合同コンサートのチラシ。

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ゴスペルを愛する熱いシンガーたちが勢揃い!

 

 

 

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ゴスペルは歌詞がとても大切。歌詞に込められた思いやエピソードについて冒頭のFrom the Bibleで知ることができます。歌詞の意味、ゴスペルの背後にあるストーリーや指導者の思い等、テキストは盛りだくさんの内容です。

 

 

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発音チェックのワンポイントレッスンもあります。このテキスト、ほんとうによくできています!

 

 

 

 

歌が好きな人、ゴスペルが好きな人、ぜひゴスペルをやってみませんか?

ゴスペル教室に参加して楽しみながら英語に慣れ親しむことを心からお勧めします。

 

さてここで、ゴスペル教室ならではの英語上達のポイントをいくつかあげてみます。

1. フレーズを繰り返して練習する(反復練習)

2. 何度も歌ううちに歌詞を暗記してしまう(センテンスやフレーズの暗唱)

3. ゴスペル歌詞の意味はとても深く、素晴らしいので、心に響く(心に響くので記憶に残る)

4. 音楽なので英語のリズム感や抑揚がばっちり身に付く。(英語のリズム感定着)

5. 発音チェックをしてもらえる!日本人の苦手なRとL、THの発音等何度も練習(発音矯正)

6. 仲間ができる!励まし合える人が周りにいることで長続きする(英語は継続が大切)

7. そして何と言っても楽しい。これが一番の英語上達の秘訣!

この記事を読んで「ゴスペルやってみようかな〜」と思われた方は、ぜひお近くの教室をこちらのサイトから→Network Choirs探してみて下さい。

(ちなみに私は千葉県の佐倉王子台チャペルPrince of Peace Gospel Choirに参加しています。)

最後にもう一曲、この曲もダイナミックで大好きな曲でした。

Come and join us!

ゴスペルで英語始めませんか?

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好きこそ物の上手なれ⑦「One Direction~Act My Age~」

英語教室の中高生クラスにOne Directionのファンがいるので、こんな活動も試しています。

今日のクラスではこの曲を紹介しました。

One Direction “Act My Age”

アイリッシュのリズム、キャッチーな曲。

大好きな彼女に捧げる歌、かな。

二人が結婚して、子どもが生まれて、大きくなって、自分たちも歳をとって、でっぷりして、ダンスのステップも怪しくなって、子どもたちにも笑われてもね。年相応に振る舞うなんてことはしないさ。僕のことを良くわかってくれている君。歩くのもよろよろで、髪が抜けたって変わらない。夜更かしして、パーティの2次会だって開いちゃう。君への思いはいつになっても変わらないさ。年相応に振る舞うなんてことはないよ。僕の気持ちも、君の気持ちも変わらないさ。

かなりはしょって、意訳するとこんな感じでしょうか。

I won’t act my age…

You’ll always understand…

I’ll feel the same around you….

渋いセリフが続きます。

When I can hardly walk and my hair is falling out

We’ll still stay up till morning

We’ll throw the after party, oh yeah, oh yeah

I won’t act my age, no I won’t act my age

No, I’ll still feel the same around you

アップテンポの曲ですが、歌詞を聞いていると、なんだかじーんときてしまいます。

さびの部分は、うるっときます。

Youtubeで2回聞いた後、曲を聞きながら歌詞の単語・穴埋めをするlyricstrainingにも挑戦してみました。ゲーム感覚で結構楽しめます。

このサイト← で”Act My Age”のビデオをクリックし、レベルを選んで挑戦してみて下さい。

ディクテーションやスペリングはもちろんのこと、タイピングのトレーニングとしてもいいなあと思いました。

好きなアーティストの曲だったら、何回でも楽しめそうです。

やっぱり「好きこそ物の上手なれ」で行くのがいいなあ。

 

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古き良きアニメ主題歌「ロックリバーへ」(あらいぐまラスカルより)

昨日は大学で留学生日本語クラスのお手伝いでした。

多読多聴の簡単な説明の後、30冊ほど用意した絵本と、よむよむ文庫0〜2くらいまでのレベル別読み物を机に並べ、さっそく手に取って好きな物から読んでもらいました。

今日は初めて会う学生さんばかりだったので、「好きこそものの上手なれ」という話しから、「好きな物は何ですか?」と一人一人に聞いてみました。

アニメ、動物、自然、音楽、車、いろいろな答えが出ました。自分の好きな物に関して、日本語で読んだり、見たり、聞いたりしているうちに、言葉のインプットがどんどん増えて、日本語力もアップしていくはずですよと、伝えました。

私の質問に、あるアメリカ人留学生が「レッサーパンダが好きです!」と嬉しそうに答えてくれました。

「レッサーパンダってどんな動物だったっけ?」

家に帰ってからネットで検索してみると、こんなおもしろい動画を見つけました。

レッサーパンダ、かわいいじゃないですか〜。

さて、レッサーパンダが出てくるアニメはあったかな〜と探していたら、「あ、あれだ!」と、懐かしいアニメを思い出しました。

これです!

お〜、懐かしすぎるではありませんか。♪あらいぐまラスカル♪

Youtubeの動画から主題歌が流れてきたとたん、タイムスリップしてしまい、パソコンの前で「ロックリバーへ」を熱く歌ってしまいました。

それを近くで聞いていた中2の娘が「ママ、すごい。歌詞覚えてるんだね。でも、それレッサーパンダじゃなくて、あらいぐまでしょ?」

えっ!?

そうでした。ラスカルはレッサーパンダではありません。あらいぐまです。でも、似ているじゃあないですか、あらいぐまとレッサーパンダ。両方とも愛嬌たっぷりで、絵になる動物です。

「だいじょうぶ。ラスカルもかわいいから、きっとあの学生さんも、このアニメ好きになってくれるよ。だって、このお話の舞台はアメリカだよ。」と勝手にいろいろとこじつけて、来週会ったときに「あらいぐまラスカル」を紹介することにしました。

主題歌をすらすら歌えたことに自分でもびっくりしました。

Hidy Hidy Little Rascal

Like a Wind, Oh Little Rascal

Hidy Hidy My Friend Rascal

Come with me, Oh Little Rascal

Hidy! Here, Rascal

しろつめ草の花がさいたら さあ行こう ラスカル

6月の風がわたる道を ロックリバーへ とおのりしよう

神様ありがとう ぼくに友だちをくれて

ラスカルに会わせてくれて ラスカルに会わせてくれて

ありがとう ぼくの友だち ラスカルに会わせてくれて

「ロックリバーへ」 作詞/岸田衿子  作曲/渡辺岳夫

特に後半部分を口ずさんでいたら、なんだかジーンときてしまいました。

なんて素敵な歌詞なんでしょう。子どもの素直な気持ちがそのまんまあらわれているような、うちの子どもたちが小さい頃から、我家の愛犬ポッキーをかわいがる姿を重ねながら、「神様ありがとう!」と、心から思っている主人公の姿が思い浮かぶようでした。

古き良きアニメ主題歌「ロックリバーへ」。

私もロックリバーへ遠乗りしてみたいな〜。

ハーモニカとバンジョーの音色も効果抜群。のどかで陽気なアメリカの田舎の風景を思い起こさせるような優しいメロディが大好きです。

ちなみに、ストーリーの原作はこちら。

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Rascal, by Sterling North (Puffin Modern Classics)

ニューベリー賞(例年、アメリカ合衆国における最も優れた児童文学の著者に与えられる賞)ものの一冊です。大学に行ってしまって寂しくなった長女の部屋の本棚に、ほこりをかぶって並んでいました。

今月はこの本を読もうと思います。

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憧れ

春です。

卒業の春。入学の春。新しいスタートを迎える春。

昨日の回覧板の中に、地元の小学校と中学校の卒業記念広報が挟んでありました。「未来の自分」、「将来目指す人物像」というページに目が止まりました。

「未来の自分」は、保育士、看護師、サッカー選手、ペット屋さん、宇宙飛行士など。時代を反映してか、中にはYoutuberになりたい!など、興味深い未来像もありました。それぞれの夢が叶うといいなあと思って読みました。

「将来目指す人物像」の中には、エジソン、坂本龍馬、オバマ大統領、高倉健、ウォルト・ディズニー、錦織圭など。歴史的な人物、今旬の有名人があげられていましたが、中には担任の先生の名前を書いていた人もいました。この先生はきっとみんなから慕われていたんだろうなーと思いながら、あたたかな気持ちになりました。

 

私も小さい頃、憧れていた職業がありました。

「先生」です。

いま、曲がりなりにも「英語の先生」というお仕事をさせていただいていますが、子どもの頃、ぼんやり思い描いていた「人物」になれているのかなあと、ふと考えました。

何かに「憧れる」ということは、とても大切だと思います。「憧れる」という思いは人を突き動かします。

小さな町の英語の先生として、子どもたちに伝えたい、大切なことがあります。

「英語がわかったり使えるようになると、自分の可能性がさらに大きく広がるんだよ。」というメッセージです。

英語はことばです。ことばは「自分と周りをつなぐツール」です。

「聞く」「話す」「読む」「書く」という具体的な4つを考えてみても、自分が周りとつながり、理解し合い、助け合い、生きて行くためのたいへん重要なスキルです。

日本に住んでいる私たちは、まず日本語が大切なのですが、日本と世界がこれだけ近くなっている今、「日本語だけやっていれば」という時代でもなさそうです。世界のいろいろな国、人、ことばに興味を持ち、母語以外の言語や文化について学ぶことは、日本が世界と共に生きて行くためにとても大切なことだと思います。

家の小さな英語教室で教えながら、ここ数年、日本の英語教育に関して、試験偏重の「英語教育」に関して、危惧している自分がいます。

小学生のあいだは、のびのびと自由に「ことばとしての英語」を吸収できていた子どもたちなのですが、いったん中学校に入学すると「テストで点がとれるように」という心配が始まります。英語に対して萎縮しはじめる子どもたちが出てきます。成績として評価される英語になってしまうことが残念でなりません。

評価される科目としての「英語」になってしまうと、とたんにそれは辛く、つまらなくなります。

ことばが使えるようになるためには「憧れ」「興味」「好奇心」がとっても大切です。

「成田を歩いていたら、外国人親子の英語の会話が耳に入ってきて、内容少しわかっちゃった。」

「おさるのジョージは超可愛い。ジョージを思う黄色い帽子のおじさんのセリフがいい〜。」

「One Directionの新曲のフレーズがしびれる〜。」

「アナと雪の女王の”Do you wanna build a snowman”を歌えるようになりたいな〜。」

どんなことでもいいのです。実際に英語を使ったり、聞けたり、歌えたり、いろいろなことに憧れて、それをやっている自分を想像してみる、そうすることで、英語が「お勉強する科目」ではなく、「やりたいことが可能になるツール」になっているのですから。

テストでどんなに良い点が取れたとしても、使ってみなくちゃおもしろくありません。実際、「英語の成績は良かったけど、使うとなるとなかなか難しい。」という話しはよく聞きます。

どうしてなのでしょう?

それは、とっても貴重な中高6年間、試験偏重の英語のお勉強ばかりして、英語を使ってみる機会が、あるいは英語を使ってみようと余裕を持ってかまえる時間がなくなってしまうからなのかもしれません。

「日本にいたら身近で英語を使う機会なんて、そんなにないですよ。」という人もいるでしょう。

ほんとうにそうでしょうか。

インターネットがこれだけ普及した時代、クリックひとつで、自分と世界が繋がります。英語ひとつをとってみても、映画、ドラマ、ニュース、音楽、遊びに関するあらゆる情報がリアルタイムで入手できます。アメリカ英語、イギリス英語、オーストラリア英語、インド英語、アフリカ英語、英語圏の国だけにとどまらず、アジア、アフリカ、ヨーロッパ、世界のあらゆる国々と、英語を介して繋がることが瞬時にして可能な時代に私たちは生きています。

英語を使ってみる環境は皆さんの周りにあふれています。大好きなおさるのジョージの英語版を、Dr.スースの児童書を原文で読み始める瞬間から、英語を使っているあなたがいるのです。

好きなことはありますか。憧れていることはありますか。

英語が「お勉強としての教科」ではなく、「憧れや夢を実現させるためのツール」になるとき、皆さんの世界は変わっていくはずです。

私は高校生の頃、この方に憧れて、卒業後渡米しました。自転車のかごの中でかっこいいでしょ!

アメリカに行ったらE.T.に会えるかもしれない、と思っていたのです。

半分冗談ではありますが、中高生の頃、父とよくクリント・イーストウッドやロバート・レッドフォード主演の映画を見に行ったり、E.T.をはじめとしたスピルバーグのサイエンスフィクション、カリフォルニアの学園ものの映画に憧れて、「あの国に行ってみたいなあ〜」と思っていました。

卒業式の二日後にはアトランタ行きの飛行機に乗って旅立って行きました。30年前のことです。

アメリカ留学時代はいろいろな体験をしました。

もちろん生活に慣れるまでは大変なこともありましたが、「あこがれ」が自分を突き動かしていたので、勢いがありました。それまで思い描いていた夢や好奇心がひとつのかたまりとなって、どんどん突き進んでいた自分を思い出します。

あなたが「憧れ」ていることは何ですか。

この春、英語を使う生活をはじめてみませんか。

外国に行かずとも、留学しなくとも、リアルタイムで英語を使うことは誰にも可能な時代になったのですから。

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