カテゴリー別アーカイブ: 思い

憧れ

春です。

卒業の春。入学の春。新しいスタートを迎える春。

昨日の回覧板の中に、地元の小学校と中学校の卒業記念広報が挟んでありました。「未来の自分」、「将来目指す人物像」というページに目が止まりました。

「未来の自分」は、保育士、看護師、サッカー選手、ペット屋さん、宇宙飛行士など。時代を反映してか、中にはYoutuberになりたい!など、興味深い未来像もありました。それぞれの夢が叶うといいなあと思って読みました。

「将来目指す人物像」の中には、エジソン、坂本龍馬、オバマ大統領、高倉健、ウォルト・ディズニー、錦織圭など。歴史的な人物、今旬の有名人があげられていましたが、中には担任の先生の名前を書いていた人もいました。この先生はきっとみんなから慕われていたんだろうなーと思いながら、あたたかな気持ちになりました。

 

私も小さい頃、憧れていた職業がありました。

「先生」です。

いま、曲がりなりにも「英語の先生」というお仕事をさせていただいていますが、子どもの頃、ぼんやり思い描いていた「人物」になれているのかなあと、ふと考えました。

何かに「憧れる」ということは、とても大切だと思います。「憧れる」という思いは人を突き動かします。

小さな町の英語の先生として、子どもたちに伝えたい、大切なことがあります。

「英語がわかったり使えるようになると、自分の可能性がさらに大きく広がるんだよ。」というメッセージです。

英語はことばです。ことばは「自分と周りをつなぐツール」です。

「聞く」「話す」「読む」「書く」という具体的な4つを考えてみても、自分が周りとつながり、理解し合い、助け合い、生きて行くためのたいへん重要なスキルです。

日本に住んでいる私たちは、まず日本語が大切なのですが、日本と世界がこれだけ近くなっている今、「日本語だけやっていれば」という時代でもなさそうです。世界のいろいろな国、人、ことばに興味を持ち、母語以外の言語や文化について学ぶことは、日本が世界と共に生きて行くためにとても大切なことだと思います。

家の小さな英語教室で教えながら、ここ数年、日本の英語教育に関して、試験偏重の「英語教育」に関して、危惧している自分がいます。

小学生のあいだは、のびのびと自由に「ことばとしての英語」を吸収できていた子どもたちなのですが、いったん中学校に入学すると「テストで点がとれるように」という心配が始まります。英語に対して萎縮しはじめる子どもたちが出てきます。成績として評価される英語になってしまうことが残念でなりません。

評価される科目としての「英語」になってしまうと、とたんにそれは辛く、つまらなくなります。

ことばが使えるようになるためには「憧れ」「興味」「好奇心」がとっても大切です。

「成田を歩いていたら、外国人親子の英語の会話が耳に入ってきて、内容少しわかっちゃった。」

「おさるのジョージは超可愛い。ジョージを思う黄色い帽子のおじさんのセリフがいい〜。」

「One Directionの新曲のフレーズがしびれる〜。」

「アナと雪の女王の”Do you wanna build a snowman”を歌えるようになりたいな〜。」

どんなことでもいいのです。実際に英語を使ったり、聞けたり、歌えたり、いろいろなことに憧れて、それをやっている自分を想像してみる、そうすることで、英語が「お勉強する科目」ではなく、「やりたいことが可能になるツール」になっているのですから。

テストでどんなに良い点が取れたとしても、使ってみなくちゃおもしろくありません。実際、「英語の成績は良かったけど、使うとなるとなかなか難しい。」という話しはよく聞きます。

どうしてなのでしょう?

それは、とっても貴重な中高6年間、試験偏重の英語のお勉強ばかりして、英語を使ってみる機会が、あるいは英語を使ってみようと余裕を持ってかまえる時間がなくなってしまうからなのかもしれません。

「日本にいたら身近で英語を使う機会なんて、そんなにないですよ。」という人もいるでしょう。

ほんとうにそうでしょうか。

インターネットがこれだけ普及した時代、クリックひとつで、自分と世界が繋がります。英語ひとつをとってみても、映画、ドラマ、ニュース、音楽、遊びに関するあらゆる情報がリアルタイムで入手できます。アメリカ英語、イギリス英語、オーストラリア英語、インド英語、アフリカ英語、英語圏の国だけにとどまらず、アジア、アフリカ、ヨーロッパ、世界のあらゆる国々と、英語を介して繋がることが瞬時にして可能な時代に私たちは生きています。

英語を使ってみる環境は皆さんの周りにあふれています。大好きなおさるのジョージの英語版を、Dr.スースの児童書を原文で読み始める瞬間から、英語を使っているあなたがいるのです。

好きなことはありますか。憧れていることはありますか。

英語が「お勉強としての教科」ではなく、「憧れや夢を実現させるためのツール」になるとき、皆さんの世界は変わっていくはずです。

私は高校生の頃、この方に憧れて、卒業後渡米しました。自転車のかごの中でかっこいいでしょ!

アメリカに行ったらE.T.に会えるかもしれない、と思っていたのです。

半分冗談ではありますが、中高生の頃、父とよくクリント・イーストウッドやロバート・レッドフォード主演の映画を見に行ったり、E.T.をはじめとしたスピルバーグのサイエンスフィクション、カリフォルニアの学園ものの映画に憧れて、「あの国に行ってみたいなあ〜」と思っていました。

卒業式の二日後にはアトランタ行きの飛行機に乗って旅立って行きました。30年前のことです。

アメリカ留学時代はいろいろな体験をしました。

もちろん生活に慣れるまでは大変なこともありましたが、「あこがれ」が自分を突き動かしていたので、勢いがありました。それまで思い描いていた夢や好奇心がひとつのかたまりとなって、どんどん突き進んでいた自分を思い出します。

あなたが「憧れ」ていることは何ですか。

この春、英語を使う生活をはじめてみませんか。

外国に行かずとも、留学しなくとも、リアルタイムで英語を使うことは誰にも可能な時代になったのですから。

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Peace is reading all different kinds of books

前回の投稿でお約束した、もう一冊の紹介です。

英語の本ではありません。

絵本でもありません。

この本です。

もしも学校に行けたらーアフガニスタンの少女・マリアムの物語

ジャーナリスト後藤健二さんの書かれた本です。

後藤さんが写真と文章を通して、私たち大人だけでなく、日本の子どもたちへも「本当の平和とは何か?」について、考え、行動する機会を与えてくれる、そんな一冊です。

難しい漢字にはよみがながふってあります。行間も広く、小学高学年生以上であれば読める内容だと思います。後藤さんの優しく、熱く、誠実な人柄が伝わってくるような文体です。

後藤さんを突き動かしていた、何か大きなものを、理解することができるような気がします。彼のメッセージは確実に、読む人の心に働き、何かが変わって行くはずでしょう。

この本の中に掲載されている22枚の写真は、どれも、戦いの犠牲になって暮らしている子どもたちや一般市民の姿を映し出したものです。弱い立場におかれている人々の様子や表情を通して、何かを伝えようとしてた後藤さんの思いが詰まった写真ばかりです。

大切な息子をアメリカ軍の誤爆で亡くした母親の横顔。

破壊された家の前にたたずむ人々。

車に家財道具を山のように積み上げて移動する家族。

配給センターの前に群がる難民の様子。

学校に行けることになり、友達と入学式に参加するために手をつないで登校する少女の姿。

鉛筆や消しゴムやノートなど、生まれて初めて文房具を受け取る子どもたちの笑顔。

教室に入りきれない子どもたちが、窓の外から中をじっと見つめる様子。

 

後藤さんの文章を読むと、平和のために私たちは何ができるのか、悪を繰り返さないためにはどうしたらいいのか、国際社会の役割は何なのか、いろいろなことが頭の中をぐるぐる巡って、でも本を読み終えるときには何か大切なメッセージが、心の奥まで、深く確かに、伝わってくるのです。本からの抜粋をひとつ書かせていただきます。

夕方、訪れた集落の広いゴミ捨て場で、小学六年生くらいの男の子と三年生くらいの女の子を見かけました。左手に汚れた大きなビニール袋、右手に木の棒を持って、ゴミをあさっています。二人は黙々と、ゴミの中から紙やビニール、鉄くずなどを拾っていました。

女の子が、足を止め、腰をかがめて何かを拾い上げました。

本です。

女の子は腰をかがめたままの姿勢で、その本を開いて、身じろぎせずにじいっと読んでいます。

太陽はもう少しで沈んでしまいそうでした。夕焼けのゆるい光に照らされたゴミの野原の中で、女の子が本を読む姿はまぶしいほど輝いていました。

(神さま、どうぞ彼女を導いてあげてください!)

わたしは、そう願って目を閉じました。(後藤健二著「もしも学校に行けたら」p.122)

遠く離れた国に行って取材をし、その国で起こっている事実を、その国で暮らしている人たちの現実を伝えるために、本に書き記してくれた人がいて、私にはその本を読める自由が与えられています。

何という恵み、何という平和。

平和や自由が奪われている国では、図書館や本屋が襲撃され、トラックに山積みされた本が燃やされ、捨てられ、人々から「読む自由」さえも奪っていくのです。

 

この投稿の前に紹介した”The Peace Book“の短い文を何度も何度も読み返しました。

私の頭の中にも、いろいろなセンテンスが浮かんできました。

Peace is having pencils, erasers, and notebooks.

Peace is having books to read.

Peace is reading all different kinds of books.

 

平和や自由が当たり前になってしまっている国の大人たちが、子どもたちが、この平和をけっして無駄にすることがないように、平和について一緒に考え、平和のために行動することができますように。大人たちが、子どもたちが、いろいろな本を読み、想像力を育み、心に感じ、ともに語り合い、行動して行くことができますように。

この本を一気に読み終わった後、私もそう願って、目を閉じました。

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The Peace Book

What is “Peace” to you?

ご無沙汰しております。

このところ、何かと忙しく、なかなか投稿できませんでした。

でもでも、皆さんと今シェアしたかったので、短いですが今回の投稿は絵本の紹介です。

毎月、多読や読み聞かせ用の本を購入していますが、今回は本選びをする際に「平和」をテーマに考えました。

The Peace Book

絵が可愛らしかったので、迷うことなく購入した本。今の私にとって、大当たりの一冊でした!

内容がとてもいい!シンプルなセンテンスのひとつひとつが、読み聞かせにぴったりで、子どもたちと「平和に」ついて考えながら、対話しながら、読み進めることができるのです。

著者のTodd Parrさんの読み聞かせバージョンをYoutubeで見つけたので、どうぞご覧下さい。

こんな素敵な絵本で900円は超お買い得

皆さん、学校で、教室で、お家で買って、子どもたちと一緒に平和について考えながら、語り合って下さい。

ちなみに、私にとっての”Peace”は、Todd Parrさんのことばを借りれば、

Peace is reading all different kinds of books.

Peace is learning another language.

 

What is “Peace” to you?

 

もう一冊の本については次回の投稿でご紹介します。

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やっぱり今年も「多読とBBカード」

2015年がスタートしました。

今年も多読とBBカードを楽しくたくさん取り入れながら、英語・日本語のお手伝いをして行きたいと思います。

こちらは私の今月の多読本。

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真ん中のFREE VOLUNTARY READING以外は全て日本語ですが、ブックオフで108円のものばかり。

FREE VOLUNTARY READINGは何度も読み返しています。

 

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1月の中学生クラスは英検の過去問とBBカード。過去問をひたすら解いて疲れた後は、BBカードで遊んでリラックス。このバランスが大切です。

 

 

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そして、大学での日本語多読クラス。今月もたくさんの絵本や読み物を集めるために、図書館通いの日々。本を手にして選ぶ静かな時間は、私にとって至福のひととき。

 

 

英語クラスも日本語クラスも、いろいろな本を介して、たくさんの素敵な出会いがあることを期待しつつ、今年も歩み始めています!

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「思うは招く」〜だったらこうしてみたら?〜

久しぶりの投稿です。皆さんお元気ですか?

Youtube動画を通して、この夏開催されたTED×Sapporoでの植松努さんのお話を聞く機会に恵まれました。植松さんは北海道赤平という小さな町で「植松電機」という会社を経営されています。

中学生のときにお母さんから「思うは招く」という言葉を教えられたそうです。おばあちゃんからは「お金は値打ちが変わってしまう。だからお金があったら、本を買いなさい。頭に入れなさい。それはだれにも取られないし、新しいことを生み出すんだよ。」と言われ、本が大好きな少年になったそうです。そして、植松さんには大好きで優しいおじいちゃんとの「アポロ月着陸」の思い出があるそうです。そうしたひとつひとつが、今日の植松さんの生き方に大きく影響していることがよくわかるお話です。

「『どーせ無理』という言葉が、人の自信と可能性を奪ってしまう。」植松さんはご自身の悲しい体験を明かします。口にするのはとても簡単で、自分自身も楽チンになれる言葉であるかもしれませんが、人間の自信と可能性を奪う最悪で恐ろしい言葉だと語ります。

そして、「どーせ無理」をなくして、「だったらこうしてみたら?」をはやらせましょう、と締め括ります。出会った人が共に助け合うこと、その大切さを思い出させてくれるお話です。

教えることに関わっている人はもちろんのこと、今を悩んでいる若者、将来をどう生きようか迷っている人、大人にも、青年にも、そして子どもたちにも、全ての人に聞いてもらえたらと思いました。

「学問というものがあります。ぼくらは学問を一生懸命学んできました。学問っちゅうものは、だれかに評価されるためのものだったんでしょうか。とんでもない間違いですね。学問っちゅうのは、社会の問題を解決するために人類が生み出したものなんです。・・・・じゃあ、教育ってなんでしょうか。教育っていうのは失敗の避け方とか責任の避け方っちゅう、要領いい生き方を教えるためのハウツーでしょうか。全然違いますね。教育というのは死に至らない失敗を安全に経験させるものだったんです。」(植松努)

どうぞお聞きください。

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日本語多読多聴 プレゼンテーションアイデア②「語学レッスン編」

YouTubeを検索すると外国語学習のための動画がたくさん見つかります。先生方それぞれのキャラクターが個性的で、見ていて楽しいです。

留学生の皆さんがこれから日本で生活する中で、母国語の中国語や英語を日本人に教える機会もきっとあると思います。そこで以下の動画を紹介したいと思います。(動画はこの他にもたくさんありますので、自分のスタイルにあったものを見つけて下さい。)

プレゼンテーションのアイデアとしてもお勧めしたいと思います。

①日本人対象の初級中国語レッスン

 

 

 

②日本人対象の初級英語レッスン

 

英語も中国語もこのようなワンポイント動画を通して学んだら、楽しく続けられることでしょう!

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