月別アーカイブ: 2017年6月

絵の力

かわいい絵本。

おもしろい絵本。

表紙だけでも「なんだこれ?」と思わずページをめくりたくなるような絵本。

絵の力をかりて、子どもたちが英語に親しむ機会を作りたいと願っています。

本選びは私の大切な仕事です。

子どもたちに本を読むのも好きですが、絵本を手にとって「次は何を読もうかな」と思いめぐらす時間も好きです。

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 Should I Share My Ice Cream?

Elephant & Piggie Book by Mo Willems

 

 

 

 

絵本多読をすすめるときに、「絵をよく見てね」「絵を楽しんでね」とアドバイスをします。

絵がおもしろい本は、読む人の想像力を刺激します。

絵を楽しめる子どもたちは、本を楽しむことができているなあとも思うことがよくあります。

「絵で読める」ということが、英語多読を進めて行くプロセスでとても大切です。

初めて読んだり聞いたりする英語でも、そのページにある絵を見て、絵の力で言葉や文を理解して行くプロセスです。絵の力が言葉の理解を助けてくれます。

 

話しは変わりますが・・・・

 

今週はふとしたことから、二人のアーティストの絵の世界に触れる、素敵な機会に恵まれました。

 

星野富弘・花の詩画展(2017年6/2-6/18まで、銀座教文館にて開催中)

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星野 富弘(ほしの とみひろ)日本の詩人・画家。現在も詩画や随筆の創作を続けており、また国内外で「花の詩画展」が開かれている。(ウィキペディアより)

 

 

 

星野さんは1970年、不慮の事故により首から下が動かなくなる大きな怪我を負い、入院生活の中で知人・友人からもらうお見舞いの手紙に返事を書きたい一心から、口に筆をくわえて文字や花瓶の花などを描くようになったそうなのです。怪我をしてから50年近く、これまでに生み出してきた花の詩画は、見る人の心、読む人の心に様々なかたちで届いてきました。星野さんは日本の誇るすばらしい芸術家のひとりだと私は思っています。

 

ブリューゲル「バベルの塔」展(2017年4/18-7/2まで、東京都美術館にて開催中)

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ピーテル・ブリューゲル(Pieter Bruegel(Brueghel) de Oude [ˈpitər ˈbrøːɣəl], 1525年-1530年頃生 – 1569年9月9日没)は、16世紀のブラバント公国(現在のオランダ)の画家。(ウィキペディアより)

 

 

 

 

16世紀のオランダに生きたブリューゲルは、農民の生活や庶民の暮らしがわかるような写実的な絵を描いた人としても有名ですが、聖書のテーマについて描いた作品の数々もあり、中でもこの「バベルの塔」に表現される壮大な風景や脅威の細部が凝縮された画面に、見る人は圧倒されます。

バベルの塔のストーリーは、旧約聖書の創世記11章に書いてある有名な話です。

人類は最初ひとつの民族、ひとつの言葉で生活していましたが、この塔を作ることで天に到達しよう、名をあげようという高慢な思いは人類を破滅に導き、ひとつだった言葉は混乱し、互いに通じないようになったという記述です。

世界中のあらゆる民族、あらゆる言語は、かつてひとつの民、ひとつの言語だったという記述はたいへん興味深いです。

 

「言葉がわかるとおもしろいよ、いろんな国の人たちともっともっと通じ合えるよ」

「英語(や他の言語)が使えるとみんなの世界は何十倍にも広がっていくよ」

教室で出会う子どもたちに言葉の楽しさを伝えたいと願っています。

絵の力を借りて、言葉を獲得していくプロセスを大切にしたいと思っています。

 

星野富弘とブリューゲル。

21世紀の日本と16世紀のオランダ。

民族、言葉、時代は違えど、二人の絵には共通なテーマが隠されているような気がします。

描き方やスタイルも全く異なる二人のアーティスト。

絵の力は、時に通じ合えない言葉の限界を超えて、見る人の心に迫ってきます。

 

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「ひとりしずか」

「足で歩いた頃のこと」より(星野富弘著)

 

 

 

 

「どんなことを思いながら、どうやってこの絵を描いたのだろう。」

画家の思いに、自分の思いを重ねてみたりして。

そんなことを考えながら、来週はどんな絵本を子どもたちと読もうかなと、絵本選びを楽しんでいる私です。

 

 

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